2027年度介護報酬改定に向けた意見交換会が終わった
社会保障審議会・介護給付費分科会は、2026年9月16日の第267回で、2027年度介護報酬改定に向けた関係団体等の意見交換会(3回目)を開いた。厚生労働省の開催情報によれば、9月10日の第265回、9月14日の第266回に続く回である。社会保険研究所の記事によれば、この回では19団体が、「医療系サービス」と「中山間・人口減少地域関係」をテーマに意見を述べた。3回にわたる意見交換会は今回で終わり、今後は、関係団体から出た意見や一連の議論を踏まえて、改定に向けた検討が進められるという。
以下の内容は、関係団体が述べた意見や要望である。改定の内容として確定したものではない。
人口減少地域について、団体から出た指摘
同記事によれば、人口減少地域や離島に関して、次のような指摘や要望があった。
- 訪問看護:訪問看護の関係団体は、人口2万人未満の自治体で赤字の事業所が半数を超えるとして、特別地域加算・中山間地域加算の見直しを求めた。あわせて、訪問看護ステーションの看護職員と病院勤務の看護職員との賃金格差にも言及した。
- 島根県:人口減少、利用者の減少、人材確保の難しさが同時に進んでいるとの報告があり、介護テクノロジーの導入だけでなく、現場への定着まで含めた継続的な支援が求められた。
- 長崎県西海市:高齢化率が41.2%で、離島への訪問介護では、移動のために「2日拘束」となる場合があるとして、特別地域加算の柔軟な運用や、離島向けの包括的な報酬の設計が要望された。
- ケアマネジャー:地域による不足が生じているとの指摘があった。
- 地域連携:「基準を緩めるだけでは質は保てない」との指摘があり、協議会のような形での地域連携を報酬上どう評価するかも、提案として挙がった。
地方展開する法人にとっての意味
これらは、地方都市や人口減少地域に新たに進出する法人にとって、他人事ではない。訪問系のサービスでは、移動の負担や人材の確保が、事業の収支や運営の進めやすさに直結しうる。また、報酬上の加算や基準が今後どうなるかは未確定でも、「その地域で、事業を続けるための連携の土台があるか」は、改定の内容にかかわらず問われ続ける。
人口減少地域では、医療機関、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などの数そのものが少ない。そのため、地域の関係者との関係づくりが、都市部以上に、事業の立ち上がりを左右しやすいと考えられる。
本部だけでは把握しにくいこと
本部が、改定の論点や、団体の意見を読み解くことと、進出予定地域で、実際に事業を継続できる条件が整っているかを見極めることは、別の作業である。次のような情報は、現地の関係者と接点を持たなければ、本部だけでは分かりにくい。
- 近隣の病院や診療所が、介護事業者との連携にどの程度前向きか
- 地域包括支援センターや居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)が、新規に進出した事業者をどのように認知し、紹介先の候補として扱うか
- ケアマネジャーや関係機関が、その地域で十分に確保されているか、それとも不足しているか
- 移動に要する時間や、訪問の範囲を、どの程度見込む必要があるか
改定が確定する前に、現地で確認できること
2027年度の改定内容は、まだ確定していない。しかし、確定を待つ間にも、進められることがある。特定の報酬項目に依存しない、地域の状況の確認である。
- 進出予定地域で、連携の窓口になっている機関はどこか
- 自法人の存在や、受入体制が、地域の関係機関にどの程度知られているか
- 移動や人材の面で、その地域に特有の制約がないか
進出前に確認したい項目は、チェックリストにまとめている。
地域連携営業BPOが担える部分
THRIVEは、こうした地域での接点づくりを、クライアントとの打ち合わせで作成した営業設計に基づき、現地で実行する地域連携営業BPOである。地域の病院地域医療連携室、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、相談支援事業所などへの訪問を通じて、クライアントの情報を届けるとともに、地域ごとの状況に関する情報を収集し、本部へ共有する。請け負うのは地域連携営業の部分だけで、資金調達、許認可・各種申請、物件探し、人材の採用・紹介などは対象外である。開設当初の地域連携がひと段落し、本部が現地から離れて現地任せになってからも、営業体制を維持する長期的なサポートが可能である(「THRIVEの使い方」)。
介護事業の地方展開についてはこちら、「地域連携営業BPO」の意味は「地域連携営業BPOとは」を参照されたい。地域での認知の進み具合は、独自指標「RPI(地域浸透指数)」で月次に追跡している(「RPI(地域浸透指数)とは」)。