介護・制度動向

居宅介護支援の改定の方向性(案)と地域連携|ケアマネの要件見直し案を、地方展開する法人が現地で確認したいこと

監修:株式会社メディケアプロモーション|最終更新日:2026年11月1日

居宅介護支援の「改定の方向性」が分科会に示された

2026年10月19日に開かれた社会保障審議会介護給付費分科会(第271回)では、令和9年度介護報酬改定に向けて、訪問介護・訪問看護・居宅介護支援などの訪問系サービスが議題となった。居宅介護支援については、厚生労働省老健局が「居宅介護支援・介護予防支援(改定の方向性)」(資料6)を提出し、論点ごとに「対応案」を示している。

最初に押さえておきたいのは、これらはあくまで事務局が示した「対応案」であり、分科会での議論を経て今後整理されていくものだという点である。報酬額や施行時期が決まったわけではない。本稿は、資料6に書かれている範囲の内容を、確定前の案として読み解く。

資料6に示された主な対応案

資料6は論点を四つに分けている。論点①高齢者像の変化に対応したケアマネジメントの推進、論点②ケアマネジャーの業務負担軽減、論点③制度改正に伴う対応、論点④中山間地域等における適切なケアマネジメント提供体制の確保である。このうち、論点①〜③に対応案が記載されている。

  • 特定事業所加算の見直し(案):加算(Ⅰ)の要件のうち「要介護3〜5の利用者が40%以上」とする重度化要件を廃止する案。算定事業所が少ない加算(A)は、1年の経過措置を設けたうえで廃止する案。24時間連絡体制や研修について他事業所等との連携を認める扱いを、上位の加算区分にも広げる案。
  • 地域での連携体制(案):現行の「インフォーマルサービスを含む生活支援が位置付けられた居宅サービス計画を作成していること」という要件を、計画への位置付けの評価ではなく、様々な地域福祉の主体も含めた地域での連携体制の構築を要件とする案。
  • 管理者要件(案):居宅介護支援事業所の管理者について、主任ケアマネジャーであることは求めず、ケアマネジャーであって5年の実務経験等を有する者とする案。
  • 介護予防支援(案):入院時情報連携加算、退院・退所加算、通院時情報連携加算、緊急時等居宅カンファレンス加算などを介護予防支援にも設ける案。障害福祉サービスと併せて利用する場合の調整業務を評価する案。
  • オンラインモニタリング(案):関係者からの合意を得る手続きについて、柔軟に行えることを示す案。
  • 制度改正への対応(案):令和8年6月に成立した法改正によるケアマネジャーの資格更新制の廃止などを受け、定期的な研修を受講している者の配置を求め、正当な理由なく未受講の者を配置している場合に減算を設ける案。介護予防ケアマネジメントを市町村から直接委託で担当する場合の取扱件数は、利用者に3分の1を乗じる案。

医療介護連携の推進については、課題の整理にとどまり、資料には「今後の介護給付費分科会において説明及び議論を実施予定」と記されている。中山間地域等のケアマネジメント提供体制(論点④)も、人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制を扱う回で説明・議論する予定とされている。つまり、この二つは今回の時点では方向性が示されていない。

地方展開する法人にとっての意味

居宅介護支援事業所は、利用者のケアプランを作成し、サービス事業者との連絡調整を担う。訪問介護、通所介護、訪問看護、小規模多機能型居宅介護、住宅型・サービス付き高齢者向け住宅など、在宅系の事業を地方で開設する法人にとって、地域のケアマネジャーが新しい事業所の情報をどう受け止めるかは、立ち上がりに影響しうる。

案が実現した場合に、地域の居宅介護支援事業所の体制が変わる可能性がある点は意識しておきたい。たとえば加算(A)が廃止される案が採られれば、小規模事業所が事業所間連携で体制を確保してきた地域では、事業所の運営方針や連携の組み方が見直されることも考えられる。管理者要件が変われば、管理者の配置や役割分担にも動きが出うる。ただし、いずれも現時点では案の段階であり、実際にどう動くかは確定後の告示・通知を待つ必要がある。

本部だけでは把握しにくいこと

制度案の文言は全国共通でも、その影響は地域ごとの居宅介護支援事業所の規模や体制によって異なる。特定事業所加算を算定している事業所が多い地域か、小規模事業所が中心の地域か、地域包括支援センターとの役割分担がどうなっているか。こうした実情は、資料からも本部の机上からも読み取りにくい。

資料6には、介護予防支援の指定を受けている居宅介護支援事業所が、事業所ベースで約2割にとどまることも示されている(約半数の市町村で指定が行われているとされる)。地域包括支援センターと居宅介護支援事業所のどちらが、どこまで担っているかは市町村ごとに異なり、これも現地で聞かなければ分からない情報である。

確定前に、現地で確認できること

  • 進出予定地域の居宅介護支援事業所の数、規模、特定事業所加算の算定状況の見当(地域の事業所へのヒアリングや、自治体の公表情報で確認する)
  • 地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の、介護予防支援をめぐる役割分担
  • 病院の地域連携室と居宅介護支援事業所の、入退院時の情報共有の実際の流れ
  • 自治体が示す、改定に関する今後の周知や説明の予定
  • 自社が開設予定のサービスについて、同じ資料に示されている対応案(訪問看護、訪問介護など)との関係

改定の確定内容は、今後の分科会資料、答申、告示・通知で必ず確認していただきたい。進出前に現地で確認したい項目はチェックリストにまとめている。

地域連携営業BPOが担える部分

THRIVEが担うのは、地域連携営業の実働である。具体的には、地域の病院の地域連携室、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、相談支援事業所などをTHRIVE認定スタッフが訪問し、クライアントの事業所情報を届けるとともに、地域で聞いた状況を本部へ共有する。「Motherの14年間で訪問実績78,000件以上」の現地訪問の経験をもとにした運用である。

制度の確定を待つ間にも、居宅介護支援事業所の体制や地域包括支援センターとの役割分担といった現地の状況は、訪問を通じて把握を進められる。そうした情報を本部と共有しておくことが、確定後の判断材料の一つになる。ご相談は事務局で受け付けている。なお、資金計画、許認可の申請、物件、採用など、立ち上げ全般の支援はTHRIVEの対象外である。

地方展開の、次の一歩を。

開設予定地域や拠点数に合わせて、地域連携営業の実働体制をご提案します。